歯科医院の開業に必要な資格は？運営に役に立つ資格を解説！

本記事では、歯科医院を開業するための主要な資格とその取得方法について詳しく解説します。開業を検討している歯科医師の方や、既に開業しているがさらなるスキルアップを目指す方に向けて、必要な情報を説明します。

歯科医院の開業に資格は必要なのか

歯科医院を開業する際、特定の資格が必要だと思われるかもしれませんが、必須の資格はありません。実は、歯科医師免許すら取得していなくても開業は可能です。

というのも、開業者自身が歯科医師免許を持っていない場合でも、歯科医師または医師の免許を保有する者が管理者として院長に就任すれば、開業は許可されるからです。それゆえ、歯科業界以外の方が医院経営を行うことも可能です。

ただし、開業にあたり役立つ資格や知識は存在します。次項で、それについて詳しく触れていきます。

取得すると役に立つ資格、取得方法

医療経営士

歯科医院を開業する際、経営の知識や実践的な能力を持つことは大変重要です。そのため、医療機関の経営に特化した医療経営士資格を取得することをおすすめします。この資格は、医療経営の基礎から経営幹部としてのマネジメントに関する高度な知識と技能を習得するためのもので、一般社団法人日本医療経営実践協会が認定する民間資格として、2010年に制度が始まりました。

3級から1級まで等級があり、2.3級はマークシート形式での試験、1級は記述問題、口頭試問、個人面接となります。経営の知識をしっかりと身につけたい方は、この資格の取得を検討するべきでしょう。

医業経営コンサルタント

医業経営コンサルタントは、1990年に発足した公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会によって認定された資格です。医業経営を安定させる専門家を育てるために、この資格制度が設けられました。

資格の取得には、日本医業経営コンサルタント協会が提供する指定講座の受講後、筆記の一次試験と論文審査の二次試験に合格することが必要です。なお、資格を保持し続けるためには所定の時間の研修が必要とされており、資格取得後も継続的な勉強は求められます。

【参考】
公益社団法人日本医業経営コンサルタント協会 – 医業経営コンサルタント

病院経営管理士

病院経営管理士は、一般社団法人日本病院会による認定資格です。この資格は病院のスムーズな運営に必要な専門家の養成を目指しており、歯科医院だけでなく、幅広い医療機関の経営知識を身につけることができます。

資格取得のためには、日本病院会が提供する2年の病院経営管理士通信教育を修了し、経営の基礎から応用までの39科目を修得するとともに、卒業論文の提出をすることが求められます。通信教育形式での学習なので、医院の運営を行いながら資格の取得を目指すのも良いです。

【参考】
一般社団法人日本病院会 – 病院経営管理士通信教育

専門医

歯科医師の免許を持つスタッフが医院に在籍する場合、その中に専門医の資格を有する者がいれば大変望ましいです。専門医とは、特定の領域において高度な知識や技術を習得した歯科医師を指し、例として歯周病専門医、小児歯科専門医などが挙げられます。

専門医の資格を取得するためには、初期臨床研修の完了後、診療科ごとに定められた期間の専門研修を受け、その後の認定試験に合格する必要があります。

もし医院に専門医がスタッフとして在籍しているのであれば、医院の魅力としてアピールし集客につなげることができます。

防火管理者

防火管理者は消防法に基づく国家資格で、大型ビルで開業する際には必須の資格です。資格取得者は医師である必要はなく、事務員やその他のスタッフが取得することも可能ですが、スタッフの退職などの事態を考慮して、開業者自身が資格を取得するべきでしょう。

資格の取得のためには、消防機関での講習を受ける必要があります。その後、所轄の消防署へ防火管理者選任届や消防計画書などの届け出を行うことが求められます。

まとめ

本記事では、歯科医院を開業する際に役に立つ資格を紹介しました。開業そのものに必須の資格はありませんが、経営の安定を目指すには継続的な努力と準備が欠かせません。そのサポートとして、記事で取り上げた資格の取得を開業前、開業後問わず考慮することをおすすめします。